脱兎生活研究所

個人的な備忘録

【読書記録】暇と退屈の倫理学

【暇と退屈の倫理学】 ざっくり感想

  • 『思考の整理学』は東大・京大で1番読まれた本っていうのは、変な納得感あったけど、本書はなんで?っていうのが正直なところ
  • 『消費社会の神話と構造』の疎外は自覚しづらいという側面があるが、(もしくは東大・京大に入学するような?もしくは学力関係なく多くの?)現代の若年層は消費社会の疎外されている自分という状況に自覚的である世代だから読まれた?
  • 哲学か心理学か思想かタイトルを忘れてしまったが、別の本でも『ファイト・クラブ』の映画に言及があった覚え。一部の世代とインテリ層はこの映画好きなん?
  • ファイト・クラブ』かなり前にみたけど、まあ面白かったなあ程度の記憶。映画自体のあらすじもなんとなく覚えていたので、本書を読むときに、この映画と絡めて話しているところは読みやすかった
  • 大学時代に講義で『幸福論』を読まされたと思っていたけど、本棚を見直したら『哲学入門』だった。『哲学入門』を読んでラッセル、浅くね?と学友たちと嘯いていたのはいい思い出
  • パスカルの性格が腹立つみたいな旨あったけど、哲学者ってだいたいそんな感じじゃね?ソクラテスとか『ソクラテスの弁明』や『クリトン』とか読んだとき、「オレ、コイツダイキライ」って思ったよ
  • 第2章がかなり面白かった。人類史に興味が湧いた
  • ハイデッガーの下りは眠たかった。読みながら「ああ、俺の内なるどこからか【なんとなく退屈だ】という声が聞こえてくる」って皮肉したくなるくらい眠たかった。読んでるときの体調がたまたま眠たかったかもしれん
  • 人間が異常に環境世界移動能力が高いが、能力を使用せずにはいられないというのは納得。一部のアスリートなどは環境正解移動能力を限られた範囲でコントロールできてしまうという異常個体だろうか。現代なら大谷翔平とか藤井聡太が頭によぎる。野球以外のこととか、将棋以外の環境世界に移動している時間が極端に少なそう

 

【暇と退屈の倫理学】 疑問とかわからなかったところ

  • 「ものを受け取り」贅沢しようってのが一つの結論である。「ものを受け取る」ってどういこと?「もの(それ自体)を受け取る」みたいなこと言い出すと、現象学みたいなことになって、筆者のいいたいこととは違うようなきはする
  • 今、自分自身が構築している環境世界を再確認して、いまいる環境世界も悪くないじゃないかと再発見することが「ものを受け取り」贅沢するということだろうか?
  • 「ものを受け取り」贅沢するには楽しむ訓練が必要というのは同意するが、具体的な訓練方法って「1日1日をより大切に生きましょう」、「今日もお天道様に感謝」みたいなことと何か違うのだろうか?哲学って自明すぎて言語化されていないことを、言語化する試みっていう側面があるので、この理解でよいのかもしれないし、誤読かもしれない
  • 油断すると、人間は本来的に退屈していると誤読してしまいそう。疎外とセットの本来性という罠。ただ、通読して、どうしても遊動生活を終え定住生活の現代人類は、すべからく退屈していると読めてしまう印象はぬぐえない。だからこそ、疎外だけを見つめる、本来性などないと筆者は口をすっぱくいっているのだろうけど。
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